環境を守る森づくりを長く楽しむ方法

私達は環境を守る森づくりへの取り組み方として、生業は勧めていません。平日は会社員や自営業など様々な職業につき、休日のみ森へ入って手入れをする、そのような生き方を私達はWoodWayと呼んでいます。
そして森づくりを安全に長く楽しむために、インターンシップ制度を開始しました。

目次

  インターンシップを始めたきっかけ

  熟練者になると一年に100万円以上の副収入も

  森づくりの3つの課題

  インターンシップの内容

インターンシップを始めたきっかけ

林業で生活できない悪循環 〜補助金漬けの皆伐サイクル〜

以前は1ヶ月に数本の木を伐るだけで林業者は豊かな生活ができました。それほど材の値段が高く森はまるで貯金箱のようだったと言われています。まとまったお金が必要な時に、必要なだけ木を伐る。そんな豊かな資産としての山の価値が崩れてしまって久しく、現在では山林価値は暴落。稼げなくなった林業者は廃業するか施業方法の転換を迫られました。すなわち間伐から皆伐です。

現在はウッドショックでやや材価が持ち直したものの、元々の値段に比べたら低いままで木材の供給が追いついていないこと、また花粉症対策のための低花粉杉品種への転換も相まって皆伐が一層進んでいる状態です。

令和元年より、自治体はたくさんの木を伐る事業者を対象に「意欲と能力のある経営者」を認定事業体として補助金を投入して支えています。福岡県の場合、一定の水準として、年間に5000㎥の材木を生産できる能力を有した事業者を認定すると公表しています。(福岡県資料)

材価が上がらないために、林業者が生活するためには大型の高性能機械を導入し、伐って伐って伐りまくらないと認定されず、認定されないと補助金もほとんど出ないのですから、ますます事態は悪化。

かくして日本各地にハゲ山はどんどん増え、雑に作った作業道が壊れたりして自然と人間への災害はひどくなる一方です。

雑に作っている作業道。すでに道の下に穴が空いて崩れやすくなっている。

ハゲ山にしても植栽をすればいいではないかという意見がありますが、植栽の後は何年も下草刈りをせねばなりません。あと数年で伐る木がなくなると、林業施業のメインは下草刈りになるのではないでしょうか。

炎天下の中、急斜面の多い日本で草刈り機を抱えて怪我する可能性もある危険作業・下草刈りを喜んでやる人がいるでしょうか。

このような皆伐サイクルに巻き込まれた事業者が「意欲と能力のある経営者」と認定され、生産に対して7〜9割の補助金が出ています。

一方で皆伐を行わない小さな林業者には、その補助金すらほとんど出ないので、低い材価のままでは本業として十分な生活費を得るのは難しいのが現状です。ましてやスキルを伴わない初心者であれば、なおさら難しいと言わざるをえないでしょう。

我々はどうやったら森を守れるのか。

もっと小さな林業者に補助金を出してもらえばいいのでしょうか?これは簡単ではなさそうです。

我々が出した結論は、「余暇」として取り組むことです。

もはや収入が生業として成り立っていない林業は、「業」ではありません。

だから我々は「森づくり」と呼ぶことにしました。

そこまで考えた時、お金にならない「余暇」であるはずの「森づくり」が、意外にもなかなかの副収入になる可能性が大きく広がっていることに気がつきました。

休日だけで年100万円以上の副収入に

例えば、あなたがサラリーマンと仮定しましょう。長年貯めたお金で山と機材を揃えて手入れを始めるとどれだけの収入が得られるのでしょうか。

休日だけで年間約70日を施業して、年間出荷量は約80㎥ぐらいと推定します。材の売上げと補助金を合わせた金額から燃料費など経費を差し引くと、約100万円の収入も可能になります。

森を守るために、皆伐による禿げ山にはしないので、植林も必要ないし、夏の炎天下での草刈りも一切ありません。

快適な森の中で、休日のみで自分のペースで手入れをして副収入を得ることができるのだから、これはぜひ皆さんにおすすめしたいものです。

環境を守る森づくりには草刈りは必要ありません。暑い夏でも涼しい森の中で作業できます。

大事な事なのでもう一度言います。

仕事から離れて、あなたは休日に森の中で汗を流し、
楽しい作業で森は守られて、副収入を得ることができる。

こんな素晴らしい生き方があるでしょうか。

ただし、このような楽しい副収入に至るまでにはそれなりの経験が必要です。それがレベルアップ研修を修了した人が参加できるインターンシップです。

森づくりの3つの課題

森づくりをやりたい人が、足踏みしてしまう課題となっているもの、それは3つあります。当塾のインターンシップはその課題に対応したものでもあります。

1つ目は研修林。

所有林がなければ、山を購入するか、施業を請け負うかの二択になります。山の購入は不動産の一般的な土地売買とは違いますし、信頼関係のない他人の山を請け負うのも簡単ではありません。施業する山がないことで、森づくりをあきらめる人も多いのは、大変残念なことです。

インターンシップ用の研修林は、先祖代々所有してきた江良家の所有林、あるいは当塾が掲げる環境を守る森づくりの考え方に賛同した山林所有者から受託しています。当塾からの定期的な研修報告によって山林所有者は山の状態を知ることができます。

2つ目は重機。

重機への設備投資にはお金がかかります。バックホウ、林内作業車、チェーンソー、軽トラなども含めて800万円以上の設備投資が必要です。働き盛りの40代でも、子供の養育費や家のローンを考えたら、その設備投資にかけるお金を用意する事に二の足を踏む人も多くいます。

インターンシップ用に当塾所有のバックホウと林内作業車を用意しました。

3つ目はスキルアップ!

本来、森づくりは体系的に知識と技術を何年も学ばないと身につかないとされています。もし覚える前に本格的な施業に乗り出すと大事故につながる可能性もあります。

皆さんは、1年間の期間に自分の都合がよい休日を選んで二人一組で山に入って、自身のスキルを磨いていきます。

インターンシップで一生楽しむことも

インターンシップは年次更新ですが、希望すれば何年でも続けられるし、腕が上がり、独り立ちできる人はいつでも卒業できるシステムです。

このような制度は当塾にとっても初の試みであり、全国的にみても似たような例を見ることができません。しかし私はきっとこのインターンシップによって、現在疲弊している林業に一つの新しい風を吹かせ、参加者も大きく成長することができるのではないかと期待しています。

インターンシップの内容

インターンシップはレベルアップ研修のLevel3中級を修了した者が対象となります。

自分の都合の良い日にチームで森づくりを体験します。

研修林WoodWay研修林を当塾が用意
参加資格当塾Level3中級修了者
人数2人一組以上のチーム施業
研修日あらかじめ自分の都合の良い日を申告して最低2人で施業。
重機バックホウと林内作業車を当塾より貸与。
機材チェーンソー、メジャーなどは個人負担
経費等燃料費、消耗品などは材の売上金で賄う
期間4月〜翌年3月
登録料1年目 180,000円(保険料別途)
2年目以降 130,000円(保険料別途)
継続年次登録制のため、何年でも継続可能
その他材の出荷による売上金から報奨金制度あり。
収益がマイナスの場合、赤字金額を請求することはありません

さあ皆さん、一緒に私達とがんばっていきましょう!